死後事務委任契約とは?必要なのはおひとりさまだけではない?

こんばんわ。名古屋市中川区の長良行政書士事務所です。

今日は死後事務委任契約についてお話したいと思います。

目次

死後事務とは? 死後事務の基礎知識

まず、根本的な死後事務という言葉からお話したいと思います。

名前の通り、人が亡くなった後に必要な事務のことを言います。相続や遺言で出てくるような財産の継承のお話ではなく、もっと身近なことです。

死後事務の例をあげてみましょう

・葬儀や埋葬・納骨に関すること(葬儀の形式や宗教・宗派の指定)

・親類縁者への連絡(電話や郵便、最近ではSNSでの告知なども)

・医療機関、介護施設への支払いと解約など

・お部屋の片づけ、遺品整理、賃貸の場合の解約手続き

・死亡届など役所関係への手続き

・相続財産管理人の選任の申し立て(相続人がいない場合)

・デジタル遺品の整理

・携帯電話や新聞等の定期的な支払いの支払い、解約

まだまだ挙げればきりがありません。こういった日常に関する手続きのことを死後事務と言います。そして、それを誰か(第三者)に依頼することを死後事務委任契約と言います。

死後事務委任契約を考えた方がいい人

一般的にそういった事務処理と言うのは配偶者や子供・孫等が無償で引き受けるものです。ただ、お願いする人が近くにいない場合なども考えられます。

では、死後事務委任契約を考えた方がいい人とはどのような人でしょうか?例をあげてみます。

身寄りのない人

 いわゆるおひとりさまの方はご自身が亡くなると誰も手続きをしてくれなくなってしまいますので、お元気なうちにどなたかにお願いするといいでしょう。

親族が遠方にしかいない

親類がいたとしても、例えば本人が名古屋にお住まいで親類の方が東京に住んでいらっしゃる。というような状況であれば近隣の方に死後事務をお願いするケースも多いです。実際に弊所でも親類の方が四国にお住まいだったため手続きを依頼されたケースがございました。

ご親族が高齢の方

近所に若しくは同居のご親族がいらっしゃっても、高齢者の方ですとなかなか手続きが難しかったりします。そのような場合も死後事務委任を検討するといいと思います。

法律婚ではない場合

残念ながら、まだまだ日本では法律婚が優先され、事実婚の方だとできないことも多くあります。自分の最期をパートナーの方にお願いしたいという気持ちはごく自然なことだと思いますが、事実婚の場合は死後事務委任を結んでおいた方がいいと思います。

あわせて、事実婚の方は遺言書も検討した方がいいでしょう。

死後事務委任はいつ考えるか?誰に依頼するか?

まず、死後事務委任契約を考える時期についてですが、意思能力(自分で物事を判断できる能力)があるうちに。つまり元気なうちに考えましょう。

年齢を重ねて、認知症等になってしまった場合、契約行為ができなくなってしまいます。そうなる前に検討しておきましょう。

死後事務を誰に依頼するか?

これは死後事務委任契約書の作成を誰に依頼するか?と言うお話ではなく、実際に死後事務を執り行ってもらう人を誰にするか?と言うお話です。

死後事務委任契約を結ぶ場合、通常はご親族以外の方になります。ご親族に関して言えば、敢えて契約をしなくても死後事務ができるからご親族と契約を結ぶ意味はあまりありません。

では、実際に誰に依頼するか?ですが、まず法律上は特に決まりは有りませんので、パートナー・友人・知人でも大丈夫です。依頼する人がいない場合、若しくは安心して任せたい場合は、弁護士・司法書士・行政書士(弊所でも承っております。)などの専門家に依頼するのがいいでしょう。

死後事務委任契約の契約方法

死後事務委任契約にあたって、書面でしなければならないとか公正証書でなければならない。といった決まりは有りません。口約束でも構いません。

とは言え、死後事務をスタートするのは依頼者が亡くなった後ですので、本当に契約があるのか?その契約は有効なのか?証明することが難しくなってしまいます。

そのため、書面で契約するのが必須だと考えておきましょう。その上で公正証書にするのかどうかをご検討ください。公正証書にするかどうかの目安は、①まだまだ元気な時期が長そうで契約書に書いたことを変更するかもしれない。②受任者(死後事務をする人)を変える可能性がある。など、内容に変更が生じる可能性がある場合は、公正証書ではなく通常の書面でもいいかもしれません。

死後事務委任契約にかかわる費用

最後に、事務委任契約にかかわる費用についてご説明致します。

①死後事務委任契約書作成費用

 弊所では死後事務委任契約書作成費用として55,000円(税込)を頂戴しております。ご自身で作る場合はもちろん、無償で作成できます。

 死後事務委任契約書を公正証書にする場合は、別途公証役場の手数料(約1万5千円)が必要です。

②死後事務費用

パートナーの方や友人・知人の場合は無償又はごく低額でお引受け頂けることも多いと思いますが、行政書士や司法書士等に依頼する場合はどうしても費用がかかります。弊所では死後事務についてはどこまで依頼するかによって大きく変わります。

参考価格としては、50万円~100万円程が目安になります。また、死後事務は預託金方式又は遺言書による支払い(原則として弊所代表が遺言執行人となる場合)の2パーターンございます。

ただし、遺言書によるお支払いの場合で費用が不足することになってしまうと一部若しくは全部の死後事務ができなくなる場合がございますので、予めご了承ください。

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