こんばんわ。名古屋市中川区の長良行政書士事務所です。
前回、終活を考えるときの自宅不動産の重要性ということで、自宅について説明をしました。
今回は、自宅よりは重要度が下がるもののそれでもやっぱり重要な不動産についてお話したいと思います。
自宅以外の不動産とは?
自宅以外の不動産というと、大きく分けて、賃貸不動産と遊休不動産があります。
賃貸不動産とは月極駐車場やコインパーキング等、土地の利用で収益を得ている場合や、賃貸マンションやアパート等、建物の利用で収益を得ている場合を言います。
なお、会社経営者さんの個人所有の会社利用地や農地等も厳密に言えば違いますが、収益を得ているという意味合いで、ここでは賃貸不動産として説明致します。
対して、遊休不動産とは文字通り何も利用していない土地・空き家等です。
賃貸不動産の終活
では、まずは賃貸不動産の終活について考えていきましょう。
前段のところで、会社経営者さんの個人所有の会社利用地や農地も含めていきましたので、さらにパターン分けをしていきます。
賃貸不動産を少し細分化して①不動産そのものが収益を生んでいる場合②不動産を利用することで収益を生んでいる場合と言う風に考えていきましょう。
不動産そのものが収益を生んでいる場合
分かりにくい表現だということは重々承知の上です。
不動産そのものが収益を生んでいる場合とは、一般的に賃貸と言われて想定できる利用方法だとお考え下さい。
月極駐車場・コインパーキング・賃貸マンション・アパート等です。
この場合、プラス要素としては当然、収益を生んでいることです。賃料収入と言うのは非常にメリットが大きいものになります。生活も安定しやすいですし、老後資金としても活用できます。
半面、マイナス要素として見過ごせない物が、①借入 ②管理の手間暇 の2点になると思います。
特に借り入れがある場合は、相続人さんにいくらの借入があって、月々の支払い額がいくらなんだよ。と伝えておきことが肝要です。
そのうえで、その物件の賃貸不動産としての将来性を考えて、①そのまま保有する、②売却する、③活用方法を変更する、④資産を組み替える。という選択肢があります。
特に③④です。③については、月極駐車場にしていた土地に賃貸マンションを建てる。とか古い賃貸アパートを更地にして月極駐車場に変える等を考えてもいいでしょう。当然ここも相続人さんと相談の上で決めるのがベストです。
現預金に余裕があるかないかでも判断は変わってきますので、ぜひ、専門家にご相談ください。
④については、不動産を売却し、投資信託や株に組み替えるという考え方です。この場合、資産の流動性が高くなるので、使いたいときに比較的早く資金が動かせるというメリットがあります。
資金に余裕があっても相続人さんの中には管理が面倒だとか将来的に月々の支払い額が家賃収入を上回るんじゃないか?と懸念されるエリアだとかは、売却を望む方もいらっしゃいます。
不動産を利用することで収益を生んでいる場合
不動産を利用することで収益を生んでいる場合とは、前述の会社経営者さんの個人所有の会社利用地(建物含む)とか農地になります。
個人所有の会社利用地については、事業承継の問題にも絡む非常に大事かつ難しい問題になりますので、別途ご説明ページを作りたいと思いますので、ここでは簡単に選択肢だけ上げると。
①会社に買い取ってもらう ②後継者に買い取ってもらう ③信託契約等を活用する 等が挙げられます。
続いて農地についてです。
なかなか悩ましい問題だと思います。後継者がいれば問題はないのですが、後継者不足の農家さんは全国に大勢いらっしゃいます。市街化区域であれば売却と言う選択肢もでてきますが、市街化調整区域の農地となるとそうはいきません。
市街化調整区域内の農地で後継者がいない場合は、①活用できないか検討する②小作人を探す③処分する
以上の3択になろうかと思います。
①活用できないか検討する
後継者さんがいない場合、なんとか農地を活用したいと思われると思います。放っておけば雑草だらけになってしまい、近隣の農家さんに迷惑をかけてしまうかもしれませんし、うまく活用できれば賃料収入が期待できる可能性もあります。
具体的には駐車場、倉庫、太陽光発電施設等の方法を検討してみましょう。なかには農地として(市民農園等)そのまま貸してほしいというケースもあり得ます。
いずれにしても、都市計画法の開発許可や農地法の許可等、許認可手続きを経ないと活用はできませんので、行政書士等にご相談ください。
②小作人を探す
農業が盛んな地域であれば、近隣の農家さんなどに農地の管理等をして頂けるケースもあります。
随分昔には小作人さんが所有者さんにお金を営農させてあげる。という状況でしたが、今はほぼ逆転しています。
農地所有者が農地の管理をしてもらう代わりに費用を支払う。とか無償で農地を提供する。というのが一般的です。(地域によると思いますが・・・)
③処分する
あえて、売却するという表現を使いませんでした。
その理由はほぼ金額がつかない。又は金額をつけても何年も売れない。というようなことがあるからです。
出来るだけ早く売りたいということであれば、購入希望者があらわれたら金額の多寡を問わず売却することをお勧めします。
遊休不動産の終活
遊休不動産はなぜその状況なのか?から考えましょう。
空地・空き家の場合、面倒だからそのままにしておいたのか、思い入れがあるから売却せずにそのままにしておいたのか?です。
面倒だからそのままにしておいた場合は、せっかくの機会ですから、今、どうするか考えましょう。
方法としては、①活用する、②売却するのどちらかです。
活用するのであれば、月極駐車場・コインパーキング・レンタル倉庫等選択肢は比較的多くあります。地元の不動産会社にご相談頂ければ何らかのご提案があると思います。
不動産屋さんに強引に進められそうで怖い。とお考えでしたら弊所にご相談ください。ご所有不動産の状況に応じてご提案致します。
売却する場合はもちろん、相談先は不動産会社が一番です。2,3社に依頼して査定額という物を出してもらいましょう。その査定額を検討して、ご自身で売却希望価格を提示し売りに出すのが一般的です。
ご所有の不動産が何らかの難あり(事故物件であるとか道路に接していないとか)でもよほどの状況でなければ売却は可能です。
また、最近ではその「よほどの状況」の物件を引き取ってくれる(買取ではありません)会社さんも出てきていますし、2023年の4月以降には「相続財産国庫帰属法」という法律も施行されます。相続財産国庫帰属法はやや条件が厳しいですが・・・
いずれにしても、不動産所有者が費用を出して不要な不動産を引き取ってもらう。という時代になってきております。
思い入れがあって売却等をしていない場合
最後に、遊休不動産自体に思い入れがあって売却等してこなかった場合です。
ここまで終活の話をしておいてなんですが・・・思い入れがあるならそのままでいいと思います。
もちろん、空き家で近隣に迷惑がかかりそうなほど老朽化している場合は別ですが、ご自身が健在の間はそのまま遊休不動産として置いておいて、ご自身の亡き後にこうして欲しいというような希望があればエンディングノート等に書き記しておけばいいと思います。
長良行政書士事務所の不動産総合コンサルティング
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