指定希少野生動植物種捕獲等許可

行政書士は官公署に提出する書類の作成やその相談、手続きの代理などを行っているのですが、官公署に提出する書類というのは数多くあります。

その中には我々行政書士も携わったことのないようなものも当然あります。

今日はその中の一つ【指定希少野生動植物種捕獲等許可】について解説していきたいと思います。

目次

指定希少野生動植物種とは?

【希少野生動植物種】というのは漢字が示す通りなのですが、絶滅の恐れがある種でかつ、人為的な影響が大きいものとされています。その上で【指定】とつく動植物種とはどのようなものでしょうか?

希少野生動植物種の中で特に保護をする必要があると認めて指定されるもので、法律上、生きている個体については【捕獲、採取、殺傷または損傷】をしてはいけないことになっています。

現在、希少野生動植物種が427種、指定希少野生動植物種が27種となっています。

そして、禁止されていることを特別に許可をしてもらうために【指定希少野生動植物種捕獲等許可申請】という手続きを経る必要があるのです。

指定希少野生動植物種捕獲等許可

もちろん、許可申請をすればどんな理由でも認められるわけではありません。下記のような正当な理由が必要です。

・学術研究

・繫殖の目的

・教育の目的

・個体の生息状況または生育状況の調査の目的

・その他国内希少野生動植物等の保存に資すると認められる目的

上記の理由に合致するから許可が欲しい。というように手続きをしなければいけません。

手続きに必要な書類

手続きに必要な書類については、かなり大雑把な規定となっています。

  • 捕獲等しようとする場所を明らかにした図面
  • 捕獲等しようとする個体が動物である場合は、捕獲等の方法を明らかにした図面
  • 捕獲等をした個体を飼養栽培しようとする場合は、飼養栽培施設の規模及び構造を明らかにした図面及び写真

捕獲等をしようとする個体の種類によっても変わりますし、目的・場所・方法等によっても追加の書類が必要になるでしょう。

いずれにしても、提出先(都道府県等)との事前協議が必要になる手続きです。書類を作って持っていけば終わり。というものではありません。

当然、目的や捕獲場所等によって許可がおりないこともあります。出せば必ず許可が貰えるわけではないことにも注意が必要です。

まとめ

このように行政書士の仕事の中には書類の作成のみならず、行政との折衝・事前打ち合わせ等で申請するまでが大変な手続きも多々あります。

そもそも、許可の見込みがない場合は行政も申請を受け取らないこともありますので、どれだけ綿密にすり合わせをするか?も大切です。

なお、今回の指定希少野生動植物種捕獲等許可については、弊所での取り扱い実績はございません。

ただ、この他にも野生動植物種に関する手続きは多々ありますし、今回の許可申請に限らず、こういった業務というのは非常に公益性も高くやりがいのある仕事だと思いますので、機会があれば是非携わっていきたいと思っております。

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