海洋施設の設置届出とは？

法律で、【海洋施設を設置しようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、次の事項を海上保安庁長官に届け出なければならない。】となっています。

なじみのない言葉でイメージが難しい手続きではありますが、簡単に解説していきます。

海洋施設とは？

まず、【海洋施設】の定義からお話したいと思います。

根拠となる法律と条文は以下の通りです。

海域に設けられる工作物（固定施設により当該工作物と陸地との間を人が往来できるもの及び専ら陸地から油、有害液体物質又は廃棄物の排出又は海底下廃棄をするため陸地に接続して設けられるものを除く。）で政令で定めるものをいう。

海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第３条

大雑把に言うと、陸地と固定されていない海に設置する工作物。と表現できます。

さらに、条文の中に政令で定めるもの。とありますので、政令を見てみると

とされています。あまりにも細かい規定は省略しましたが、ここまで読んで該当すると思われた方は届出が必要な可能性が高いので、弊所又は海上保安庁にご確認ください。

届出の提出時期や必要書類

お分かり頂けるかと思いますが、頻度の高い手続きではありませんので、海上保安庁もあまり細かく定めておらず、【詳しくは提出先にお問い合わせください。】との記載が多く見受けられます。

届出ではありますが、海洋施設となるとそれなりの規模のものが想定されますし、事前の打ち合わせが重要かと思います。

届出時期と提出方法

届出に係る書類の提出は工事開始の３０日前までに。とされています。上述の通り、事前の相談や打ち合わせを考えると相当前から準備が必要かと思われます。

提出方法については、窓口へ提出・郵送・メールと手段は各種準備されています。

窓口については、管轄の海上保安監部、海上保安部又は海上保安航空基地となります。

提出前の相談は海上保安本部となります。

申請書類と必要書類

申請書については様式が定まっていませんので、任意の書式となります。ただ、記載事項は例示されていますので、以下は必ず記載が必要です。

（１）氏名又は名称及び住所と法人の場合は代表者の氏名及び住所
（２）海洋施設の位置及び概要
（３）海洋施設の名称及び用途
（４）海洋施設を管理する者の氏名及び住所
（５）海洋施設の設置の工事を開始する日及び完成する日並びに当該工事の概要
（６）海洋施設に備えられている排出油等の防除のための器材及び消耗品の種類及び
　　　数量

添付書類については、提出先にお問い合わせください。となっています。設置する場所や設置する施設の内容や規模によっても変わってくると思いますので、個別案件となりそうです。