終活を考えるときの自宅不動産の重要性

こんばんわ。名古屋市中川区の長良行政書士事務所です。

今日は、終活の一環としての不動産。自宅編をお話したいと思います。

不動産売買に20年以上携わってきた私だからこそ、終活と不動産の説明はしっかりとしたいと思っています。

目次

不動産の種類

不動産は終活に限らず、個人が持つ財産の中でも高額かつ整理が難しいものです。分割も難しいし、争いのもととなりかねません。

円滑な終活のためにもしっかりと考えたいところです。

まず、不動産と一言で言っても色々と種類があります。マンションだとか一戸建てだとかということではなく、用途に応じて大きく分けて3つに分類します。

①自宅

②賃貸不動産

③遊休不動産

また、終活にあたってどう対応するかも分けて考えてみたいと思います。

Ⅰ自家用で使う(住み続ける)

Ⅱ貸す

Ⅲ生前贈与する

Ⅳ処分する(売却する)

今回は、この中でも①自宅について焦点を当ててお話したいと思います。

また、以前、お話しましたが、終の住処として自宅を選択した場合もあると思います。その場合でも考えなければいけないことはたくさんありますので、ぜひ、最後までお読みください。

①ーⅠ 自宅に住み続ける

自家用で使う場合でも老後資金がしっかりと準備してあるかどうか?によって考えわけなければいけません。

老後資金が準備してあって問題ないという場合であれば後は相続でもめないように準備しておけば大丈夫でしょう。

そうではなく、老後資金に不安がある。という場合はどうすればいいでしょうか?

自宅に思い入れがあったり、近所の方とのお付き合いも良好であれば住み続けたいと思うことでしょう。

そのために、どうするか?ですが、方法は3つほど考えられます。

ご親族の援助を受ける

最も気楽で面倒のない方法です。お子さんなどが近所に住んでおられたり、遠方であっても一定の援助が受けられるのであれば、それに越したことはありません。

援助を受けられる場合は、援助してくれる親族にご自宅を相続させるとか他の相続人より多めに財産を渡す。というように遺言を書いておけば安心です。

リースバック

老後資金を調達しつつ、今の家に住み続ける手段としてリースバックというものがあります。

リースバックとは、不動産業者などに自宅を売却し(名義変更し)、売却後の自宅を賃貸として借りる。という手法です。

メリットとしては、上述の通り今の家に住み続けながら老後資金も準備できるというところです。

デメリットは老後資金の準備と言いつつ、賃貸になるので月々の支払い額が増えることになります。その金額と手元に残る金額のバランスが非常に重要になってきます。

また、不動産業者が買主になることが一般的なので、やや安めになること。そして、思っている以上に諸経費等で差し引かれることです。

施設に入るための一時的な資金作り。という考え方もあるかもしれません。ただ、その場合でも「引き渡し猶予」という条件を付して売却する手法もあり、そちらの方が一般的にはお手元に残る金額があがりますので、焦らずじっくりとご検討ください。

リバースモーゲージ

リバースモーゲージとは、自宅(持ち家)を担保にし、そのまま住み続けながら銀行から融資を受ける仕組みのローンです。
一般的な住宅ローンと違い、借入金についての用途は生活資金となります。

月々の支払いを定額(若しくは金利のみ)とし、ご自身の亡き後にご自宅を売却して完済する。というものです。

リースバックと違い、ご自身が健在の間は名義も自分のものとなります。

メリットはリースバックと同様に今の家に住み続けながら老後資金が準備できるというところ。

デメリットはこちらも月々の支払い額があがるので、老後資金の計算をし直す必要が出てきます。

また、対応している金融機関が少ないことと、マンションは不可等の条件が厳しい傾向にあることが挙げられます。

①―Ⅱ 貸す

自宅を引き払い、ご親族のもとに身を寄せるとか施設に入居するといった際に、自宅を貸すという選択肢もあります。

家賃として一定の収入が見込めるので生活資金や施設の費用に充てられるので、メリットは十分にあるように思われます。ただ、自宅を貸すということはデメリットも多いです。

まず、好きな時に出て行ってもらえない可能性がある(定期借家契約とすればある程度は希望に沿う時期に退去してもらえます。)ということ。また、入居者がいなければ家賃収入がないこと。家の管理やメンテナンスは家主となる貴方の責任となりますので、思わぬ費用が発生する可能性が高いことが挙げられます。

賃貸住宅に建て替えて貸すという考え方もありますが、自宅以外に所有している不動産がない場合は借り入れをしてまで賃貸住宅を建てるメリットはあまりないと思います。

なにより、人に貸す場合は引き継ぐであろう相続人さんとご相談の上、決められることをお勧めします。

①―Ⅲ 生前贈与

相続予定者の方などに生前贈与と言う方法も考えられます。贈与税がかかってしまうことデメリットが考えられますが、相続予定者のうち誰に自宅を引き継がせたいかが明確な場合は選択肢として大きなメリットがあると言えます。

こちらも後で揉めないように相続人さんと打ち合わせして決めておくといいでしょう。

①―Ⅳ 売却する

最期に売却して、住み替えるという方法です。一番分かりやすい方法で考え付きやすい方法です。

売却後の資金を施設の入居費用に充てたり、ご親族との同居であれば老後資金として蓄えておくというのもいいでしょう。

また、相続に際して現金化されていれば分割しやすいので、相続人同士の争いになりにくい点もメリットです。

税金的にも自宅以外の売却よりも自宅売却の方が特例が使える分、メリットは大きいです。

最後に

最期に、不動産を残していく場合については、キチンと整理しておくことをお勧めします。

お隣との境界線が曖昧だとか、お隣と越境問題で揉めているというような状況は極力解消しておきましょう。

特に、昔から住み続けている方などは口頭でお隣の方と話し合いができていて、お互いに亡くなって、相続人が何もわからない。という事態が多くあります。

長年住み続けているからこそ、終活の一環としてご近所トラブルは引き継がないように準備が必要です。

愛知・岐阜・三重の3県であれば不動産相続のご相談・評価(査定)もお引き受けしております。不動産業者に依頼すると売却の方向で話を進められそうとか、随分先の話なので相場だけ確認しておきたい等のご希望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメント一覧 (1件)

コメントする

目次