こんばんは。名古屋市中川区の長良行政書士事務所です。
今日も終活についてですが、法律からは距離を置いたお話です。
終の住処問題について私なりに考えたことを書いていきたいと思います。
終の住処について考えるタイミングと状況
まずは、終の住処について考えるタイミングのお話からしたいと思います。
タイミングとしては年齢的なものやご家族状況の変化等があります。このページをご覧になっている方ももしかしたらそのタイミングになっているのかもしれませんね。
年齢的なタイミング
年齢的には、50歳・60歳という節目の時期に考える方が多いようです。若いころと違い体が言うことを聞かなくなってきたり、お子さんがいらっしゃるとそろそろ独立する時期にもなるからでしょうか?
いずれにしても、頭も体も元気なうちに考え始めるのが重要です。
状況の変化
年齢的なことよりもこちらの方が考えるタイミングとして多いように思います。
仕事を定年退職した。娘さんが結婚して出ていった。配偶者・パートナーの方が亡くなった。などご自身や家族の生活スタイルに大きな変化があったときですね。
お勧めのタイミング
これは遺言や家族信託、死後事務委任など終活全般に共通して言えることではありますが、「まだ大丈夫でしょ?」とか「もう少ししたら考えるか?」と少しでも頭によぎった時期が考えるタイミングとして一番いいと思います。
このページを読んでいらっしゃる多くの方が少しは頭によぎったからだと思います。ということは、終活を考える時期だということです。
何事も先延ばしにして良いことなどありません。せっかくの機会ですので、一度考えてみてはいかがでしょうか?
終の住処の選択肢
では、最期の時期を過ごす場所を決める。というお話をしていきましょう。選択肢は多く、まず環境を考えると
①今の家でずっと過ごす
②自然の多いところに転居する
③病院などが近い利便性のいいところに転居する
④施設などに入居して安心して過ごす
というような選択があります。
また、施設などでない場合、一戸建てがいいか?マンションがいいか?最近では高齢者向けのシェアハウスというものも出てきていますが、どれも一長一短で悩みどころではあります。
ご家族が同居していたり、近くに住んでいたりしても足が悪くなってしまったり要介護状態になったときのことも考えて自分には関係ないと思わず、ぜひ最後までお読みください。
①以外は転居を伴うことになりますので、より慎重に考えた方がいいでしょう。
逆に①の方で持ち家の方も要注意です。①の決断で問題なければいいのですが、そうではない場合です。持ち家の方は急ぐ必要がないので、ゆっくりしてしまいがちです。
そして、考え出したタイミングは遅すぎて、思った通りの行動が出来なくなってしまうことがあります。あわてる必要は全くありませんが、後で後悔しないように考えるべきだと思ったのであれば、キチンと考えましょう。
終の住処を考えるにあたって前提となる重要なお話し
このページに書いていることと矛盾することを言います。そして、当たり前のことでもあります。
ここで、終の住処を決めたからと言ってそれに縛られる必要はありません。
とは言え、費用の問題で後から変更することが難しくなる場合もあります。特に施設などに入居した場合や、この機会に自宅を売却した場合等は元に戻すのは難しいでしょう。
決めたことをひっくり返すことが出来るとは言っても、慎重に考えなければいけないのは間違いありません。
また、大前提として、老後資金の確保が重要です。その辺りは個別具体的な話になってきますので、詳細までは話しません。
考え方は人それぞれでしょうが、身の丈にあった選択をしないと、どんな選択をしたとしても後悔することになりかねないので、そこを最優先に考えましょう。
条件のいいものは値段が高くなります。それは一戸建てやマンションの購入でもそうですし、賃貸でもそうです。もちろん、施設も同じです。
上を見ればキリがないので、人それぞれ自分の条件に合った住まい探しをしましょう。
終の住処として考える賃貸・持ち家・施設のメリットとデメリット
少し話が脱線しましたので、軌道修正します。ここでは、あくまで終の住処として考えたときの賃貸・持ち家・施設のメリットとデメリットを考えてみます。
賃貸のメリット・デメリット
賃貸のメリット
・高齢者用に設計されたものなどは生活が快適
・持ち家と比べて場所や広さなど選べる選択肢は多い
・管理は自分の部屋だけで済むので楽
賃貸のデメリット
・高齢者(特におひとりさま)の場合、入居審査が厳しい
・自分の亡き後の片付けを早くしないといけない
・リフォーム等を自由にすることはできない
持ち家のメリット・デメリット
持ち家のメリット
・自由にリフォームができるので、自分の生活にマッチさせやすい
・賃貸に比べてランニングコストが低い傾向にある
・家族や友人が集まりやすい
持ち家のデメリット
・リフォームするのにコストがかかる
・広すぎて持て余してしまう
・庭などがあると管理が大変
施設のメリット・デメリット
施設のメリット
・介護や医療に対する対応が出来ている
・要介護状態や車いすになったとしても生活しやすいよう設計されている
・孤独死の不安はない
施設のデメリット
・入居時、入居中のランニングコストが高い
・人間関係で煩わされる可能性もある
・家族はともかく友人は集まりにくい
それぞれのメリットとデメリットを同じ数だけあげてみました。ここに書いたこと以外にもメリット・デメリットはあると思います。
そのメリット・デメリットも受け入れられるものかどうかによってとらえ方は大きく変わってくるでしょう。
正解は一つではありません。ある人にとっての正解が別の人にとって不正解であることはよくあることです。
ご自身にとって最良の選択ができるようじっくりと考えてみてください。(何年もかけてはダメですよ。)
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